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ロケを支えた人々

ロケを支えた人々④

ベガルタ仙台

高校でのサッカーの試合、弥生(波留)とサクラ(杉咲花)が観客席で応援する中、鮮やかにシュートを決める山田太郎(成田凌)。青春らしさにときめく一方、華麗なボールさばきに目を奪われる方も多いはず。このシーンには、プロのアドバイスが活かされている。

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「弥生、三月」は宮城県で生まれ育った二人の物語。宮城でサッカーのプロを目指していた少年を描くにあたり、仙台を本拠地とするJリーグのベガルタ仙台に白羽の矢が立った。

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サッカーの技術指導にあたったのは、2018年に現役を引退した菅井直樹さん(現在はクラブ地域連携課スタッフ)と、クラブコーディネーターの平瀬智行さん(2010年引退)。仙台大学、宮城県総合運動公園での練習を通じシュートまでの流れをともに考え、相手チーム役の大学生もまとめて作品の完成に力を添えた。

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重視したのは、サッカーのプレーとしての自然さ。本来、利き足である右足でシュートを打つ方が容易だが、アングルを考慮し左足で蹴らなければならなかった。さらに撮影と同時に地面に置かれたボールを蹴り始めると躍動感に欠けてしまうため、パスされたボールを蹴り上げ胸トラップ、そこから向きを反転させてドリブルでシュートにつなぐ流れを考えた。

菅井さんは「成田さんは、サッカー経験があったので教え込むのは難しくなかった」とサッカー経験者ならではの習得の速さに関心。そして二人が撮影を通じて驚いたのは、断続的な撮影に合わせてきっちり気持ちを切り替え、本番でその日一番のシュートを決める成田さんの俳優としての見事な集中力だという。平瀬さんは「本番であんなコースにバチーンと決めていて、俳優さんの自己管理はすごい」と驚嘆していた。

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今や日本を代表する俳優の映画作品に携わった経験は「一生の宝物」。今回ベガルタ仙台に焦点があたったことも、非常に光栄に感じているという。

指導を担当した平瀬さん、菅井さんは、実は本作のあるシーンに登場している。サッカーファンにとっても楽しみな作品となりそうだ。

(取材・文 山口史津)